糖尿病というと「尿に糖が出る病気」と考えられがちですが、これは糖尿病のひとつの症状にすぎません。糖尿病というのは、膵臓から出されるインスリンというホルモンの働きが低下して起こります。そのメカニズムをしっかり理解して、糖尿病の予防・治療に取り組んでみてください。 |
糖尿病のメカニズム
正常
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異常
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食事から消化・吸収された糖分は、まず、血液で全身へ。筋肉や脂肪細胞には、受容体というキャッチャーがいます。
このキャッチャーが、インスリンの働きによって糖分をキャッチ!細胞内に取込んで、利用しています。 |
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大食い、まとめ食い、欧米型の脂肪の多い食事、肥満や運動不足は、糖分を受け取るキャッチャーの働きを悪くします。せっかくインスリンが来ても、糖分を充分利用することができません。こうなると、利用できずに血中にあふれた糖分が、尿に混じることになります。 |
…膵臓は、血液中に一定以上の糖分がある限り(高血糖)、インスリンを出しつづけ、やがて疲れてインスリンを出せなくなってしまいます。
(まとめ)
体の色々な組織の中にエネルギーを取り組むことを調節しているインスリンというホルモンの働きが悪くなり、慢性的に血液中のブドウ糖価(血糖値)が高い状態になったときを糖尿病といいます。このようにホルモンの働きが悪くなり、体の組織の活動が悪くなった状態を代謝異常といいます。糖尿病はこの代謝異常が原因です。 |
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主な症状
初期には自覚症状がありませんから、かなり悪くなってからの自覚症状になります。
- のどが渇き、水分を大量に取るようになります。
- 尿の量(回数)が増えます。
- だるさを感じ体重が減少する症状があらわれます。
…このまま放っておくと合併症を引き起こします。
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糖尿病の合併症
脳梗塞 脳出血 起立性低血圧 白内障 網膜症 歯槽膿漏 嘔吐 肺炎 肺結核 狭心症 心筋梗塞 高血圧症 脂肪肝 胆石症 しびれ 神経痛 腎不全 腎盂炎 インポテンス 便秘 下痢 筋萎縮 おでき(化膿症などの皮膚変化) 壊疽
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食事療法は糖尿病を治療をする上での基本中の基本となるものです。食事療法がうまく行われないと、他の治療(運動療法、薬物療法)もうまくいきません。毎日の事ですので頑張ってみて下さい。 |
1日3食同じくらいに分けて適量を!
- 1日3食
まとめ食いは1度にたくさんのインスリンが必要になり、膵臓に負担をかけます。
- 副食は1食に1皿
ご飯よりおかずを食べ過ぎている人が多いもの。副食は1食1皿にして、種類を毎日変えて下さい。
- 野菜は毎食
生なら両手に一杯程度。加熱したものなら片手に一杯。野菜に含まれる食物繊維は、食後、血糖が急激に上るのを抑えてくれます。
- 主食は適量に
ご飯だけが血糖を上げるわけではありません。主食を減らしすぎると、おかずを食べ過ぎたり、間食が増えるのでご注意を。
- 嗜好品はルールを決める
アルコールや菓子で食事療法を乱してしまう人が少なくありません。嗜好品は毎日とらず、とる場合の量も決めます。
- 油を使った料理は1日2品まで
油は非常に高カロリー。油料理の数を抑えて取りすぎを防ぎます。
- 牛乳・果物は決められた量を
一見軽そうでも、カロリーは決して低くありません。食事といっしょにとるより、間食としてとった方が血糖が上がりにくくなります。
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外食で食事療法を守るコツ
- 多い分は食べ残す勇気を
ざるそばなどは確かに低カロリーですが、栄養が偏りがち。多種類の食品を使ったメニューを選び、多い分は食べ残すのが賢いやりかたです。
- 注文を工夫
「半ライスにして」「ドレッシングなしで」など、注文の際、カロリーを下げる工夫をします。
- まとめ食いは禁物
「今日は外食」とばかりに、他の食事を減らして、まとめ食いをしないようにご注意を。
- お店の常連に
食事療法を守りやすいお店を探しておき、何を食べるか決めておくと、失敗がありません。
おすすめ外食
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避けたい外食
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(定食やどんぶりのご飯は、すべて1/3残します)
●肉野菜いため定食 ●刺し身定食 ●煮魚定食 ●生姜焼き定食 ●にぎり寿司(並)…8〜10個まで ●鍋焼きうどん ●焼き魚定食 ●親子丼 ●鶏肉の竜田揚げ定食 ●ハムサンド ●五目冷やし中華(めんを1/3)残す ●ポークソテー定食 |
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(栄養のバランスが悪いもの・非常にカロリーが高いもの)
●スパゲティーミートソース ●ちらしずし(上) ●天丼 ●ハンバーグステーキ定食 ●ファーストフード ●力うどん ●カツカレー ●ざるそば/鰻重 ●ドリア ●ミックスフライ定食 ●ミックスピザ ●五目チャーハン |
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